最終更新日:2025年10月25日


スコアアップから出願までメンタルの保ち方 TOP 10 (前編 1~5)
IELTSで目標スコアを達成するために最も大切なのは、メンタル(モチベーション)を維持することです。
留学経験のない純ジャパの場合、スコアメイキングから出願まで最短でも1年、通常は2年かかります。
働きながらこの期間勉強を続けるのは、並大抵のことではありません。
実際の生活はこうなります:
夜1時に寝て朝6時に起き、出社前にリーディング1 Passage、歩きながらリスニング、電車で単語、昼休みは単語+15分仮眠(←寝ないと午後持たない)、帰宅後はリスニング1 Partのディクテーション・シャドーイング・リプロダクション、その後スピーキングとライティング、風呂に入って寝る前に単語復習して1時就寝。
土日は図書館で開館から閉館まで勉強。
ストイックというより、もはや狂気です。
このような生活では、気持ちの余裕がなくなるのは当たり前です。
そこで、どのようにメンタルを維持するか、前編と後編に分けて10個のコツをまとめました。
1.絶対に取れると信じ切る。その信じる力が、最後の差をつける。

根拠はいらない。『絶対に取れる』と信じ続けることが、スコア達成の鍵。あきらめるな。
IELTSで目標スコアを達成するために、絶対に必要なのは「自分は必ず取れる」と信じる気持ちです。
根拠はなくても構いません。「自分には無理かも」「世界トップの大学なんて到底届かない」と思う瞬間はあるでしょう。
しかし、諦めるタイミングが来るまでは、絶対に取れると信じ込んでください。
毎朝起きるときに「絶対に取れる」と言い聞かせるだけで、その日の勉強に少しやる気が生まれます。
最後に結果を左右するのは、頭の良さではなく、どれだけ信じ込めるかの違いです。
スコアアップで悩んだくらいでは、まだ諦めるタイミングではありません。
2.“たった〇ヵ月で7.0”を信じるな。あなたのベースがすべて。

スコアアップは個人差が大きい。他人の事例より、自分の現状を分析せよ。
YouTubeやIELTS対策学校の事例で、「たった〇ヵ月で7.0達成!」や「1ヵ月でスコア0.5アップ」といったタイトルをよく見ますが、絶対にあてにしないでください。
(正直、自分もインパクトを出すために「10ヵ月で6.0→8.0」と書いていますが…事実ではありますm(_ _)m)
紹介されている事例は事実でしょう。しかし、全員スタート地点が違うということがポイントです。
自分の場合、IELTS勉強開始時にTOEIC960点ありました。つまり基礎力は十分だったので、7.0までは比較的簡単に到達しました(ただし7.0から先は相当苦労しました。詳しくは「IELTS31受けました」をご覧ください)。
もし1年かけて6.0に達した人が、同じように10ヵ月で8.0を取れる保証はありません。
スコアを取れる人は、留学や大学入試など、何らかの形で相当な時間を英語に費やしています。
自分も留学経験ゼロの純ジャパですが、TOEIC960点までに膨大な時間を英語学習に充てました。
YouTubeや学校の事例を見て「同じようにやれば同じ結果が出る」と思わないでください。
「0.5上げるのに〇〇時間」などの数字も信用しないでください。
ベースとバックグラウンドは全員違います。
冷静に自分の現状を分析し、必要な時間は必要な分だけ費やす覚悟を持ってください。
3.あなたの成長曲線を知れ。それが焦りをなくす第一歩。

直線型?曲線型?タイプを見極めて、自分のペースで進め。
今までの経験から、自分の成長曲線を考えてみてください。
世の中には、要領よく勉強できる「直線型」と、時間をかけて一気に伸びる「曲線型」がいます(下の図の緑線=直線型、オレンジ線=曲線型)。
「〇ヵ月でスコア7.0達成!」という事例に惑わされないでください。
直線型のやり方を曲線型が真似しても、成果は出ません。
日本の大学入試のように短期決戦では直線型が有利で「頭がいい」と言われがちですが、IELTSは長期戦です。
人と比べて焦らず、自分がどのタイプか冷静に考えましょう。
時間が必要なら、しっかり費やしてください。最初は遅れていても、最後は抜けると信じて、地道に単語・文法を固めることが重要です。
どのタイプか分からない人の大半は曲線型です。過去に目標達成した経験がないから分からないだけです。

ちなみに自分は、IELTSで6.0→8.0を10ヵ月で達成し、ケンブリッジ大学に合格、国連組織で勤務、大学時代は工学部でありながら日商簿記1級(合格率8.5%)を9ヵ月で一発合格しました。
一見「直線型」に見えますが、完全な曲線型です。要領は悪いですが、ゴールには必ず到達しています。
自分が曲線型だと分かっているので、焦らず自分のペースを大切にしています。
4.悪い点だけでなく、良い点も振り返る。それが継続の鍵。

反省は必要。でも、ポジティブな記録がモチベーションを守る。
日々の勉強や本番試験では、悪かったことだけでなく、良かったことも同じくらい振り返りましょう。
悪い点を反省することは大切です。しかし、良かった点を認識して継続することはもっと大切です。
例えば:
- 「今日も電車で寝ずに単語を見返した」
- 「今週は忙しかったが、毎朝リスニングは欠かさなかった」
- 「試験中、リスニングで焦ったが気持ちを立て直せた」
- 「リーディングは一部カンだったが、時間内に全問回答できた」
こうした些細な良い点をメモしておきましょう。前回の試験で良かった点は、次回も維持することが重要です。
特に日々の勉強では、良い点の維持と改善を意識しましょう。
悪い点だけを反省してノートにまとめると、途中で勉強が嫌になる可能性があります。
例えば、「今日は電車で単語を見ずに寝てしまった。明日は通勤時間に5単語覚えよう」という反省は、一見良さそうですが、マイナスをゼロにして、ゼロをプラスにする2段階の目標になっています。
「寝る(マイナス)→寝ない(ゼロ)→単語を覚える(プラス)」という流れです。
これよりも、悪い点は少し目をつぶって、「今日は出社前にリーディング1 Passage完了。明日も維持」というプラス→プラスの目標を立てた方が、達成しやすく継続しやすいです。
5.“あと何問”で考える。それがスコアアップの近道。

正答率ではなく、残り何問を取るかに集中せよ。
リーディングでは、「あと何問正解が必要か」でカウントする習慣をつけましょう。
例えば、40問中30問正解が7.0の目安とします。
練習で26問正解だった場合、26/40(=65%)と考えるのではなく、残り4問と考えます。
26問取れていること(良い点)と、残り4問取れていないこと(改善点)を同時に認識するのがポイントです。
見直すときは、どうすればその4問を取れたのかを考えてください。
もちろん、不正解だった14問はすべて見直しますが、重要なのは14問すべてを正解にすることではなく、14問を10問に減らす(=4問正解にする)ことに注目することです。
後編(Part 2)へ続く
