最終更新日:2025年10月25日


IELTS公式問題集の使い方解説
ここではL/R/W/Sの実平均が6.00を超えていることを前提に7.0を目指すためにIELTS公式問題集をどのように使い込めばよいかを説明します。
IELTSを2回受験して、L/R/W/Sの平均スコアが6.0を超えていない人が7.0を目指す場合、まず中学・高校レベルの基礎英語や単語からやり直しながらIELTS対策を進める必要があります。
このとき、先にTOEICのリーディング・リスニング試験で860点を目標にして基礎力を固めてからIELTSに取り組む方が効果的な可能性が高いです。
なぜなら、IELTSで7.0以上を取るためには、TOEIC860点程度の基礎英語力と語彙力が不可欠な場合が多いからです。
IELTSの公式問題集は以下のものがBritish Councilから発売されています。(2024年11月現在)
公式問題集シリーズ1~20



その他公式問題集

公式問題集を激安で買えるのはAliExpressです。解説などは中国語ですが英語の問題部分は同じなので全く問題なく使えます。
IELTS公式問題集を使った勉強法
IELTS対策では、L/R/W/Sの全セクションを毎日欠かさず勉強しましょう。
平日に「Listening 1時間+Reading 1時間」といった偏った学習をするよりも、
Listening 30分+Reading 30分+Writing 30分+Speaking 30分と、全パートを均等に毎日取り組む方が効果的です。
朝の出勤前や昼休みなどの細切れ時間を活用して、毎日少しずつ進めることがポイントです。
- 得意なパートは疲れているときでも取り組めます。
- 苦手なパートは最優先で克服しましょう。
目標スコアによっては、SpeakingやWritingを捨てて、ListeningとReadingを重点的に伸ばした方が効率的な場合もあります。
大学から要求されているスコアとご自身の現状を照らし合わせ、最も効果的な方法でスコアメイキングを進めましょう。
Reading
Readingのスコアアップのコツ
IELTSで7.0を狙うなら、公式問題集を徹底的にやり込むことが最短ルートです。
市販の問題集もありますが、難易度や解答の着眼点が公式と微妙に異なるため、公式問題集を優先しましょう。
Readingスコアを最短で上げるためのポイント
- 16の問題タイプごとに「解く手順」をマスターする
- 苦手な問題タイプを特定し、なぜ苦手なのかを分析する
苦手なタイプを分析する際は、次のように深掘りしてください:
- その問題は何を問うているのか?
- 苦手な理由は何か?(例:文法理解不足、語彙不足、パラグラフの要旨把握ができないなど)
分析レベルは「他人に説明できるレベル」まで原因を突き止めることです。
公式問題集はReading全ての問題を16の問題タイプに分けたリストをダウンロードできます。是非活用してください。
Reading公式問題集シリーズの順番
公式問題集は日々の学習に活用しましょう。
- 難易度の目安
- Vol.9・10・11:比較的やさしめ
- Vol.14〜18:やや難しめ
- 古い問題集(Vol.8以前)
現在の傾向と異なるため、優先度は低め - 最新問題集(Vol.19・20)
最近の傾向を反映しているため、本番前に必ず本番同様に解きましょう
公式問題集の推奨学習順序
Vol.9 → 10 → 11 → 12 → 13 → 14 → 15 → 16 → 17 → 18 → 19 → 20(その後、9に戻るか8に進む)→ 8 → 7 → 6 → 5 → 4 → 3 → 2 → 1
学習のポイント
- 1周終わったら、2周目・3周目と繰り返す
- 各シリーズには3回分(=9 Passages)が収録されている
- 全18シリーズで合計162 Passages
- これを3周する頃には、IELTSの問題タイプと解き方にかなり慣れてきます
Reading公式問題集シリーズを使ったトレーニング
Reading練習の基本方針
- 毎日 1 Passageを20分で解ききる練習をする
- 本番形式(3 Passagesを60分)は 試験直前のみ実施
→ 毎日の学習で3 Passagesを解くと、分析が不十分になり「正答数だけで一喜一憂」しがち
効果的な学習サイクル
- 1 Passageを20分で回答
- 答え合わせ
- 分析
- なぜ間違えたのか?
- なぜ正解できたのか?
- トレーニング(精読+速読)
→ 分析に約20分、トレーニングに約30分を目安に、1 Passageから徹底的に学び取る
この方法なら、「量より質」でReading力を効率的に伸ばせます。
問題タイプごとの問われている力のリストの中で、”正確に英文を理解する力”、 “素早くスキャニングする力”、 ”パラフレイズする力” が問われている問題タイプでは、答えの根拠となる1文を精読する力が重要です。
精読力を高める効果的なトレーニングステップ
このプロセスを繰り返すことで、「なぜその答えになるのか」を論理的に説明できる力が身につきます。
問題タイプごとの問われている力のリストで”パラグラフのメインアイディアを理解する力”、 ”文の意図や文の前後関係を理解する力” が問われている問題タイプでは、1文の精読よりも、全体の流れを素早く理解することが重要です。
速読力を高める効果的なトレーニング方法
- 目標速度:1分で150語を読めるようにする
- 練習内容
- 音読
- スラッシュリーディング
→ パラグラフを最初から最後までスラスラと読み、意味を速く理解できるようにする
Readingその他公式問題集
その他の公式問題集は本番同様の練習のために使う。これらは本番を受ける前に本番同様に時間を決めて解く。
- ケンブリッジのIELTS公式ガイド The Official Cambridge Guide to IELTS
- IELTSブリティッシュ・カウンシル公認問題集
- IELTSブリティッシュ・カウンシル公認 本番形式問題3回分
- Official IELTS Practice Materials 1
- Official IELTS Practice Materials 2
Listening
Listeningのスコアアップのコツ
Listeningのページでもお伝えしている通りListeningは最後の最後までトレーニングです。
Listening公式問題集の使い方
Listening学習の基本方針
- 公式問題集は日々のトレーニングに使う
- その他の公式本は 試験慣れのために使う
推奨学習順序(Readingと同じ)
9 → 10 → 11 → 12 → 13 → 14 → 15 → 16 → 17 → 18 → 19 → 20(その後、9に戻るか8に進む)→ 8 → 7 → 6 → 5 → 4 → 3 → 2 → 1
学習のポイント
- 1周終わったら 2周目・3周目と繰り返す
- 各シリーズには 3回分(=12 Parts)が収録=全20シリーズで 240 Parts
- これを3周トレーニングする頃には、相当高いListening力が身につく
Listening公式問題集を使ったトレーニング
Listeningトレーニングの基本方針
- 公式問題集の各Partを、Listeningページのトレーニング手順に従ってトレーニングする
- 1週間で Part 1〜Part 4を1回分仕上げるイメージで、毎日少しずつ欠かさず取り組む
なぜ毎日少しずつ?
- 毎日30分のほうが、2日に1回1時間まとめてシャドーイングするよりも効果が低い
- Listeningは 隙間時間を活用しやすいスキルなので、習慣化が重要
隙間時間の活用例
- 電車で 口パクシャドーイング
- 出社前に 5分シャドーイング
- 歩きながら 音楽を聴く感覚でリスニング
Speaking
公式問題集は参考程度にとどめる
→ 本番で同じ質問は出ないため、過去問に依存しすぎないことが重要
効果的な準備方法
- 最近よく出題される質問に答えられるようにする
- ネタ・使えるPhrasal Verb・イディオムをストックしておく
- 注意点:答えを丸暗記しない
→ 暗記ではなく、自分の言葉で自然に話せる練習をする
Writing
公式問題集の模範解答は参考程度にとどめる
→ 暗記はNG。自分の言葉で書ける力を養うことが重要。
効果的な練習ステップ
- 時間を意識して書く
- Task 1:20分
- Task 2:40分
※Task 1とTask 2は別の日に取り組んでもOK
- 採点基準に照らして推敲
- Task Achievement
- Coherence & Cohesion
- Lexical Resource
- Grammatical Range & Accuracy
→ 改善できるところを徹底的に修正
- ネイティブ添削を依頼
- 推敲後、もう改善できないレベルになったら依頼
- 添削された回答をもう一度書き直す
- ベースサンプルを作る
- 添削済みの自分の回答は、同じ問題が出たらミスなく完璧に書けるレベルまで覚える
→ この「覚えたサンプル」が自分の基盤になる
- 添削済みの自分の回答は、同じ問題が出たらミスなく完璧に書けるレベルまで覚える
Task 1出題パターン:1-9の各パターンで自分の回答サンプルを作る。
- ダイナック棒グラフ
- ダイナミック折れ線グラフ
- ダイナミック円グラフ
- ダイナミック表
- スタティック棒グラフ
- スタティック円グラフ
- スタティック表
- 地図
- プロセス
ダイナミックとスタティックの違いはこちら。
Task1の実践問題とサンプル回答はこちら。
IELTS公式問題集に掲載されているTask 1問題タイプのリストはこちら。
Task 2出題パターン:それぞれのエッセイタイプで自分の回答サンプルを作る。
- Opinion/argumentative essays
- Discussion/discursive essays
- Advantage/disadvantage essays
- Problem(cause) and Solution question essays
- Direct question/tow parts question essays
それぞれの問題形式についてはこちら。
Task2の実践問題とサンプル回答はこちら。
IELTS公式問題集に掲載されているTask 2エッセイタイプのリストはこちら。
同じ問題をもう一度解くとき
1回目と2回目の解き方の違いを意識する
- 1回目
- 本番同様の緊張感がある
- Readingでは16の問題タイプの解き方(それぞれの問題タイプで問われていること:Lesson5~Lesson16で紹介)を意識せず、がむしゃらに解くことが多い
- Listeningでは正解探しに集中し、ひっかけへの意識が低い
- 2回目以降
- 内容を覚えている分、冷静に「解き方」や「ひっかけ」を考えながら解ける
- 同じ問題を繰り返すことで、効率的な解法やひっかけ回避の意識が高まる
→ 本番でも落ち着いて対応できる力がつく
注意点
- 1回目で間違えた箇所を2回目でも間違えた場合
→ 反省が活かされていない=成長していない
→ 間違えた理由と、次回間違えないための対策を必ず言語化する
トレーニングのポイント
- Reading:
- Listening:
- トレーニング手順に沿って繰り返し練習
- 内容を覚えてしまった場合は「解き方」や「ひっかけ分析」に視点を変える
単語本
“はじめてのIELTS単語対策3600″は最低限覚え、時間があれば”分野別IELTS英単語”を覚える。
公式問題集にできた単語は単語帳などを作って覚える必要はない(←単語帳をつくるのは覚える単語数が多いので時間の無駄)。
はじめてのIELTS単語対策3600
分野別IELTS英単語
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公式問題集Vol.19リーディングの徹底解説はこちら👇
公式問題集Vol.17,18,19翻訳はこちら👇
公式問題集Vol.20翻訳はこちら👇
